札幌・半世紀 shoyanより
いつか自分もそうでありたいと思っていた言葉がある。
かつて「東のシュガーベイブ」に並び、「西のセンチメンタル・シティロマンス」と評されたそのロックグループのリーダーだった告井延隆さんの名言で、『自分が一番やりたい曲は、お客さんが一番聴きたい曲』という境地に少しは近づけたかな?なんて思いながら「風の楽団」ツアーのセットリストを組み立て始めたのは四月に入ってからだった。

都合のつくメンバーだけでいつもより早めに始めたリハーサルも、五月に入ってみんなが揃い始め、そろそろ仕上げにかかろうとしていた矢先に、まだ二ヶ月も先の札幌公演がもうSOLD OUTだと聞いた時から、それはリハーサルのギアを一段上げるのに何よりの朗報であり、それが最高のモチベーションになったことは言うまでもない。
例えれば、それまでのちょっと背伸びをして意中の人に振り向いてもらえるのを待っていたかのような気持ちではなく、素直な「想い」がストンと腑に落ちたような気がして、その時点で、今回の『風の楽団』ツアーでの方針は自ずから決まったようなものだった。
札幌で本格的に行うコンサートは、1976年の『風・コンサート‘76』以来、実に50年ぶりなのだそうだ。
もはや“半世紀”である。その間何度も冬が終わり春が訪れ、夏の濃い影にやがて秋の落ち葉が舞い降り・・・
50年と言えば言葉は簡単だが、季節は200回も巡って来たのだ。
移り変わるのは景色だけじゃなく、心にさまざまな思いを繰り返しながら時は流れ、今の自分があるということ。
「やり遂げたこと」も、「ミスったなぁと後悔すること」も・・・
でも「叶わなかった希望」も、やがて「諦めの矜持」へと姿を変え、人生をもう一度「未来へとへ向かうべきベクトル」に押し出してくれるものなのだと気づいた気がする。
そうしてくじけずにいれば、幸せはまた努力に報いてやって来るのだ。今回ほど期待を胸に新千歳空港に降り立つことは、かつてなかった。

▲ 前日、空港から市内へ向かう途中「希望の夕陽」
翌日、僕の記念すべき『札幌・半世紀ぶり』のコンサートに、ビッグサプライズ!ゲストが来てくれた。

札幌での本格なコンサートは、1976年以来だと書いたが、実は公開録音で前年の1975年にも訪れていたことを、本番のステージ上で彼の口から知らされた。
当時の「風」のスケジュールを見ると、確かに・・・

▲LF、つまりニッポン放送の公開録音
当時まだアマチュアだった千春君はそれを観に来ていたそうだ。
今でこそ、この「貫禄」だが・・・そう言えばピュアな目をした青年に会った日のことを思い出す。

▲僕の脳裏には「あの日の彼の輝く瞳」が浮かんでいた。
かくして、半世紀ぶりのコンサートは大盛況のうちに終えることができた。
「きっとまたどこかで一緒に歌える日が来る事がありますように! お互い健康に気をつけて頑張りましょう」と言ってくれた千春君ありがとう!
そして今回の会場「札幌文化芸術劇場 hitaru」の4階席まで満杯にしてくれたお客さん、ほんとに嬉しかったです。
また来年お会いできますように。
夏の札幌にて Shoyan

