梶原順×渡辺直樹



     今回ニューアルバム「garden」のツアーに参加して、ライブ本番に向けての練習(リハーサル)は、
     伊勢本人の自宅で、というのも多かったとのことですが、リハ中のエピソードなどありましたら、
     お聞きしたいのですが?



 梶原 『 スローライフの達人の伊勢さんですので…予想以上のゆったりとした時間の流れの中でのリハーサル。
     僕的には歩調が合うのです。。今までで、いちばん贅沢に時間を使ったリハだったと思います。
     音楽は、こうして作られていくべきです……。』

 渡辺 『 僕が大阪から帰ってきて、伊勢さん家の近くの駅で待ってた時に、伊勢さんが迎えに来てくれたのがすごい印象的。
     「ハーイ直樹〜」って!まずそこから驚いて、家にお邪魔して、犬に驚いて、(※直樹さんは犬が苦手デス)
     自宅のスタジオにまた驚いて、…で、「リハーサルどんな感じかなぁ〜」と思ったら…、やっぱり伊勢さんのペースはすごい!
     やるまでに3時間くらいあって…(笑)でも、いざやるとすごい集中するんだけど、それからまた休憩が2時間半あって…
     普通のリハだったら時間が決まっててやることだけやるって感じだけど、こんなにゆったりやったのは…初めてでした。』


     この3人だけでのライブセッションは初めてですが、東名阪ライブツアーを終えてみての感想をお願いします!


 渡辺 『 (梶原)順ちゃんとは、他のセッションでやってるから、ドラムがいなくても、ギターのリズムの感じは分かるけど…
     そこに伊勢さんのギターが入って、3本だけなのに、意外と音が厚いなっていうのは感じてるかな…自分の中で。
     ドラムなしだと、本当なら淋しい感じがするんだけどね。
     人数が少ないとさ、一人一人の音を聴きながら、自分がついて行かないといけないから…ついて行くって、言うのかなぁ?』

 梶原 『 僕は、直樹さんについて行きます(笑)』

 渡辺 『 え!…おかしいなぁ(笑) うん。でも、そういう「持ちつ持たれつ」な感じ。
     だから、ドラムなしのこういうセッションをやって初めて分かったんだけど、
     いつもこう…ドラムがいるから依存してるわけじゃない?
     でも今回は、思いっきりリズムのことを真剣に考えないといけないから、最初は大変だったけど、
     でも今は、「呼吸」の感じがあって、良いな…、面白いな…、と思うんだけど…。』


     「呼吸」の感じ…!?


 渡辺 『 うん。ひとりひとりの「呼吸」を聴いてないといけないから。
     例えば「海風」もそうだけど、順ちゃんがソロ弾いてる時は、伊勢さんのカッティングに合わせてるんだけど、
     パッて変わると今度、順ちゃんと僕になるから。全然違うんだよね、その…変わり方が!』

 梶原 『 問題はその、「変わる瞬間」ですよね(笑)』

 渡辺 『 そうそう!そういうのがすごく面白いというか、コワイというか…。』

 梶原 『 何かさ、こ〜やって乗ってた(手でバランスを取る仕草)スケートボードがさ、
     横からシューッと来たスケートボードに、「パッ!」って乗り換える感じ…(笑)』

 渡辺 『 そうそうそう!(笑) 勢いはそのままでいなきゃいけないからね。』

 梶原 『 で、そのスケートボードの種類とかスピードが、微妙に違ったりするの。滑り方がね。』

 渡辺 『 それで、「おっと!」ってなったりね。うん・・・。だから、そういう所はムズカシイけど、そういう面白さも、・・・あるね。
     特に伊勢さんはグルーブにこだわる人だから、僕もすごく勉強になるんだけど、
     そこが、大事にしなきゃいけない部分だから…何ていうかな。全て、スッピンで、音楽性を見られてるっていう感じがするから、
     すごいコワイよねホントは。・・・ね。そういうのってあるよねぇ?』

 梶原 『 うん。楽しいけど、…嘘つけないし(笑)』

 渡辺 『 そうそう、嘘つけないから(笑)』

 梶原 『 嘘ついてるわけじゃないんだけどね(笑)』

 渡辺 『 嘘というか…(笑) だから、ドラムがいて、安心してフンフーン♪っていうんじゃなくて、
     本当に全部自分がやってなきゃいけないっていうのは、凄い大変だなぁと思う。
     伊勢さんは、自分で出してるから。グルーブを。』


     ライブでの3人を見させて頂いたんですが、あまりのカッコ良さにシビレてしまいました…。


 渡辺 『 だからね、イメージ的には「フォークソング」じゃないですか。でも、フォークって感じには全然思わない。』

 梶原 『 うん。演奏してる感じはね。』

 渡辺 『 そう。全然違うんだよ。』

 梶原 『 多分表で聴いてると、聴きやすくて気持ちよくて素敵なライブ…って。でも中はね、結構グーッて集中してる。』

 渡辺 『 グーッていう感じがあるよね。』

 梶原 『 うんうん。』


     同じ気持ちなんですね…


 渡辺 『 …同じだね♪大変だけど…、やっぱりすごい楽しいよ。』


     では、今回のツアー名にもなっている「garden」の中で、好きな曲、お気に入りの曲って、ありますか?


 梶原 『 全部!お世辞ぬきです!曲と詞のバランス…素晴らしいです…。』

 渡辺 『 お気に入りは…、Bayside eyed soul、冬のソリスト、夏ヤマメ、君はベージュ、かな。
     本当に、全部いいんだよね…。普通ね、アルバムっていうと、一曲くらいしかないんだよ、「イイ曲」って。
     でも、全部シングルになる感じじゃない!』

 梶原 『 そう。伊勢さんはほとんどそう。どれも、シングル。』

 渡辺 『 で、さっきリハの時、一緒に歌ってみたんだけど…、ムズカシイね!音とかすごいムズカシイの。
     聴くと、メロディとか覚えやすくて、簡単かな〜なんて思うんだけど。』

 梶原 『 唄い回しとかも、ムズカシイですよね。』

 渡辺 『 そう。僕ね、普段から詩ってほとんど耳が行かないんだけど、伊勢さんのは残っちゃうんだよ。』

 梶原 『 本当にそう。残っちゃう。』

 渡辺 『 戦闘機の爆音、とか、♪許せないんだ、君が、とか、♪コンビニの明かりが発電所に見えた、とか、言葉が耳に入ってきて、
     「え!」ってビックリする。』

 梶原 『 ドキッとする言葉がいっぱいあるよね…。』

 渡辺 『 そう。そういうのがすごいいっぱいあって、残っちゃうの。』

 梶原 『 歌詞に関して…伊勢さんは天才。間違いなく、天才。』

 渡辺 『 うん。そうだと思う。』

 梶原 『 普通の人が何気なく使うような言葉とか、つなぎでポンッと入れるようなところにも、物凄いこだわりを持ってるから、
     だから、出来上がった詩を見ても、ビックリするわけだから、書いてるときのその、伊勢さんの頭の中は…もうすっごいと思うよ。』

 渡辺 『 そうなんだよ!深いんだけど…僕は、伊勢さんっていう人は、アーティストの部分と、ミュージシャンの部分と、職人の 部分、
     全部持ってると思うわけ。』

 梶原 『 そう、そんな人って…いないんだよね。』

 渡辺 『 そう・・・詩を書いてるときは、職人だって言ってたし…。そこが、すごいよね。』

 梶原 『 うん。で、ちゃんと自分のことを客観的に分析できてて、バランス取れてるでしょ。
     アーティストっぽく生きたいがために、人に迷惑かけて、家族も大変な…とかじゃないわけじゃない。
     ものすごい、バランス取れてるよね。すごいと思う。』

 渡辺 『 すごいことだよね。うん。それに、 一日の長さも普通の人と違うと思う。伊勢さんって…。』

 梶原 『 単位がね。』

 渡辺 『 そう。単位が。24時間じゃないと思う。すごい長いスパンで物事を考えてるというか…』

 梶原 『 だけど、伊勢さんが、普通の時間を気にする人と比べてね、そういう人たちの5分の1しか、
     何か自分のやりたいことが出来てないかっていうと、違うんだよ!その人たち以上に出来てたりするんだよ。』

 渡辺 『 そうなんだよね。』

 梶原 『 だって、ミュージシャンっていったって、気の短い人いっぱいいるし、みんながゆったりしてるワケじゃないし…。
     伊勢さんは、ゆったりやってるんだけど、ちゃんと中身が濃く出来てるんだよね…。
     そこがすごい。本当にスローライフの達人なんだよ。』

 渡辺 『 そうそう!スローライフの達人!
     本当は、そういうライフにしたいよね…。』


     では、最後に伊勢正三に一言メッセージをお願いします!


 梶原 『 失礼かとは思いますが…僕とこんなに共通点がある人だとは…!!
     人生においても音楽においても尊敬する大先輩ですが、今はもっともっと身近な、
     僕が子供の時から欲しかった「お兄さん」に思えてしまいます…。
     あー 幸せ だぁ。。。』

 渡辺 『ウンウン(笑)』
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